全国障害者問題研究会が発行する月刊誌「みんなのねがい」。
こちらで約1年半、写真とエッセイを綴る連載をしてきました。
「またあした」という連載タイトルで奈良教育大学付属小学校特別支援学級を約1年間にわたって追いかけさせてもらい、同校の独自の取り組みや教育に対する個人的な想いなどをつらつらと書かせてもらいました。
その連載の最終回号が今月刊行されました。
「みんなの学校」と題して、学校や教育の在り方への個人的なねがいみたいなことを書いております。
写真と併せてぜひご覧ください。
「みんなの学校」
昨年末、奈良教育大学付属小学校の特別支援学級を訪ねた。
この日は朝から天気が良く絶好の撮影日和。子どもたちより一足先に校舎に到着し、先生方に挨拶を済ませると、教室の壁に貼り出されている新作の絵を眺める。
まるで命の塊をそのまま写しとったかのような力強い絵。それを描いた当の本人達は教室で朝の準備を済ませ、思い思いの時間を過ごしている。先生達はそんな子ども達に声をかけつつ、連絡帳 や宿題のチェック。
穏やかな朝の時間を柔らかな光が優しく包んでいる。それがあまりに美しいので、シャッターを切っていると、朝の会が始まった。 1年生から6年生みんなが一つの教室に集まり、今日1日の予定を一つずつ確認したり、土日に過ごしたことを発表していく。
そうしてたっぷりと時間をかけて会を行っている合間 に、僕は誰もいない隣の教室に移動した。電気は消されているが、代わりに南から降り注ぐ光が黒板と机と椅子を黄色く染めている。
隣教室から聞こえてくる子どもと先生の元気の良い声を聞きながら、この1年間この学校に来る事ができてよかったと思った。 
あの子もこの子も誰もが大事にされ、肯定され、受容される学校。
教師が創意工夫と思想を持ち、今日という1日が一人一人の為にある学校。 
「人間」が真っ当に作っている学校。 
目新しいことではないかもしれないが、学校はずっとそんな場所であるべきだし、そうあり続けて欲しい。 
そんなことをねがい、陽に照らされて輝く、みんなの教室にレンズを向けて写真に収めた。

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